第一回 群集心理のメカニズム
Eテレ_100分de名著 2021年9月6日放送分
講師 武田砂鉄
群衆は暗示を受けやすく物事を軽々しく信じる
そもそも群衆とは何か?なぜ生まれるのか?
ル・ボンによる「群衆心理」の分析を通して、それがもたらすさまざまな弊害や問題点を浮き彫りにしていく。
イントロダクション
ギュスターヴ・ル・ボン(1841~1931年)
Gustave Le Bon
1841年 フランスに生まれる
医大に進学 35歳で医学博士の学位を取得
普仏戦争中 野戦病院で勤務
アフリカ アジアで考古学民俗学を研究
43歳でインドの仏教古蹟を調査
1841年 54歳で『群衆心理』を刊行
17世紀フランスでは少数の特権階級が強大な権力を一手に握り、国民の大多数を支配していた。
18世紀末、そうした社会の構造が一変する事態が訪れる。
1789年-火縄くすぶるバスティーユ
群衆は、歴史上 常に重要な役割を演じてきたが、
この役割が今日ほど 顕著な事はかつてなかった。個人の意識的な行為にとってかわった 群衆の無意識的な行為が、
現代の特徴の一つを なしているのである。まさにきたらんとする時代は、
実に「群衆の時代」とでも いうべきであろう。国家の運命が決定されるのは、
もはや 帝王の意見によるのではなくて、
群衆の意向によるのだ。
ル・ボンにとって群衆とは何か?
これまで、
老朽化した文明の大破壊ということが、
群衆の最も著しい役割をなしてきた。歴史の教えるところによると、
社会の骨格である 道義力その効力を失ったときに、まさに野蛮人ともいうべき
凶暴で無意識なこれらの群衆によって、
その決定的な瓦解が 行われたのである。群衆は、もっぱら破壊的な力をもって、
あたかも衰弱した肉体や 死骸の分解を早める
あの黴菌のように作用する。かくて一時は、
多数者の盲目的な力が、歴史を動かす
唯一の哲理となるのである。
ル・ボンにとって群衆とは何か?
⇒ 黴菌
ばい菌に例えるのは些か口が悪すぎると思えますが、顕微鏡で微生物の存在を確認できたのは1828年で、発酵が微生物による有機物の分解によるものであることを目視できるようになった、この時代の最先端科学です。
医者(理系)らしい、物の例え方でしょうか?
人間の集団は、それを構成する各個人の性質とは
非常に異なる新たな性質を具える。
すなわち、意識的な個性が消え失せて
あらゆる個人の感情や観念が、
同一の方向に向けられるのである。
最初にあった個性が消えて
同じ方向へいく心地の悪さ
気持ちの悪さがある。by ル・ボン
しかし、群衆は ――――
そっちの方が居心地が良い。
――― と感じている。
群衆になると人々はどの様な状態に陥るのか?
個人はその意識的個性を失うと、
それを失わせた実験者の あらゆる暗示に従って、
その性格や習慣に 全く反する行為をも行う様な
状態におかれることがある。群衆中の個人は、
もはや彼自身ではなく、
自分の意志をもって 自分を導く力のなくなった
一箇の自動人形となる。それだから、人間は 群衆の一員となるという事実だけで、
文明の段階を 幾つもくだってしまうのである。
ファンネル・ミサイルのようにニュータイプの脳波コントロールに自動追尾で飛んでいくようになる。
群衆の性質
⇒ 暗示を受けやすく、
物事を軽々しく信ずる性質
① 衝動的で、動揺しやすく、昂奮しやすい
② 暗示を受けやすく、物事を軽々しく信ずる性質
③ 感情が誇張的で、単純であること
④ 偏狭さと横暴さと保守的傾向
希望的な事、言って欲しい事を皆で補い合う共同幻想。
加えて分母が増えると一人歩きして誰が決定したのか、なぜこうなったのかが追いにくくなり危うい。
単純化とメディア
なぜ人は群衆になってしまうのか?
群衆は、弱い権力には 常に反抗しようとしているが、
強い権力の前では卑屈に屈服する。あまりにも無意識に支配され、
従って幾百年にも及んで 受け継がれてきた影響を
あまりにも受けているために、
極度に保守的な態度を 示さざるを得ないのである。
群れをなし、階層を作り、効率よくメッセージを伝えていく仕組みは人間の本能である。
人間は上意下達の伝言ゲームを発明した事により繁栄した!??
自発的な隷属は人間の脳髄に組み込まれている
wikipedia:大杉栄
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