第二回 「単純化」が社会を覆う
Eテレ_100分de名著 2021年9月13日放送分
講師 武田砂鉄
群衆を暴走させてしまうのは、
極端なまでの思考の単純化である。
群衆は何にどういう影響を受けるのか?
その結果どういう社会が生まれるか
群衆に強く影響を与えるもの
思想は、極めて単純な形式を おびたのちでなければ、
群衆に 受け入れられないのであるから、思想が 一般に流布するようになるには、
しばしば最も徹底的な変貌を 受けねばならないのである。ある思想が、群衆の水準に達して、
群衆を動かすという事実だけで、その高級さ、偉大さが、
ほとんどすべて 失われてしまうのである。
しかし、ル・ボンによると、
群衆は理性によって動くことは無く、ただ感情的に理解できた者だけに従い行動をするという。
群衆を暴走させる分かり易さとは? ⇒ 論破、しかる後の恣意的なバイアス係った要約
群衆にとっての「心象=イマージュ」とは?
群衆は、心象(イマージュ)によらなければ、
物事を考えられないのであるし、また心象によらなければ、心を動かされもしないものである。
この心象のみが、群衆を恐怖させたり魅惑したりして、
行為の動機となる。
ある研究によると、
日本人の約1/3は日本語の長文が読めない。
日本人の1/3以上が小学校3~4年生の数的思考力しかない。
エクセル等のパソコンを使用した基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない。
そもそも、65歳以下の労働力人口の内3人に1人がパソコンを使えない。
… … と言う。
啓蒙の前に、義務教育が必要なレヴェルだ。自分もだけど、実に多くの人間は自分の頭で物事を考えていない … …。
何が群衆のイマージュを刺激するのか?
⇒ 1⃣ 言葉と標語の危険性
⇒ 2⃣ 幻想・ビジョンの危険性
1⃣ 言葉と標語の危険性
ル・ボンは意味が曖昧で人々が無意識にその実現を希望している言葉ほど大きな影響力を持つと指摘している。
例)安心安全、自由平等
道理も議論も、ある種の言葉や ある種の標語に対しては
抵抗することができないであろう。群衆の前で、心をこめてそれらを口にすると、
たちまち、人々の面はうやうやしくなり、頭を垂れる多くの人々は、それらを自然の力、いや超自然の力であると考えた。
言葉や標語は、
漠然とした壮大な心象を 人々の心のうちに呼び起こす。
心象をぼかす漠然さそのものが、神秘な力を増大させるのである。言葉とは、心象を呼び起こす 押しボタンにほかならないのだ。
群衆を動かすのは
「不思議・伝説的なもの」 ⇒ 心象(イマージュ)
群衆はシンプルなスローガン・標語
例えば「王政を壊せばよい」といった一文のみを刷り込まれ熱気を帯びてしまう。
群衆に分かり易い明確な敵を与えてやり一丸となって国家を盛り上げていく、ボナパルティズムは実際にこの第一帝政時代に起こった話であり、ときの為政者にとって常套手段であった。
政治家の最も肝要な職責の一つは、古い名称のままでは
群衆に嫌悪される事物を、気受けの良い言葉、
いや少なくとも偏頗のない言葉で呼ぶことにある。言葉の力は、実に偉大であるから、
用語を巧みに選択しさえすれば、最もいまわしいものです
受けいれさせることができるほどである。
けどこれは現代でも有効じゃないか?
- 民主党政権の時は酷かった。by電通
- 一発だけなら誤射かもしれない。by朝日
げふげふっオヤ誰か来たようだ
2⃣ 幻想・ビジョンの危険性
幻想は、民衆にとって
必要欠くべからざるものであるために、
民衆は、灯火に向かう昆虫のように、
幻想を提供する修辞家のほうへ 本能的に向かうのである。これまで群衆が、真実を渇望したことはなかった。
群衆は、自分の気にいらぬ 明白な事実の前では、身をかわして、
むしろ誤謬でも魅力があるならば、
それを神のように崇めようとする。群衆に幻想を与える術を 心得ている者は、
容易に群衆の支配者となり、
群衆の幻想を 打破しようす試みる者は、
常に群衆のいけにえとなる。
ル・ボンは政治指導者の手口は幻想であると指摘している。
群衆の支持を得る為に真実を語る必要は無く、むしろ真実でない幻想こそが群衆の心を手繰り寄せるという。
例)Qアノン、陰謀論、カルト
例)自民党をぶっ壊す! by純ちゃん
例)抵抗勢力
例)
反日的な人たちbyシンちゃん
… ごふっごふっ
啓蒙(エンライト)の対義語は、暗愚、暗黒(エンダーク)かしら?
しかし、人々をエンライトすることが可能なら、エンダークだって可能なはず??
というか、エンダークのデバフを付与されている時、対象者は啓蒙されているような感覚を得ているはず。
いえ、エンダークなんて赤魔法の中にしか存在しないwエンライトの対義語はダークペダゴジー(闇の教導法)。
2021年9月06日 |
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